永遠の夢に向かってナイキゴルフ 撤退

 

ナイキゴルフ 撤退

ナイキゴルフ 撤退

















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NIKE GOLF



































ナイキがついに決断した「ゴルフ撤退」の衝撃



タイガーとともに築いたメーカーの歴史に幕

ナイキ(NIKE)がゴルフをやめる。正確にはクラブ、ボール、ゴルフバッグのビジネスから撤退するという。あのタイガー・ウッズが、あのローリー・マキロイが使っているNIKEのボール、クラブが作られなくなってしまうのだ。ゴルフ用品界にとっては衝撃的なニュースである。2016年5月にテーラーメイドをアディダス本社(ドイツ)が売却することを発表したこと以上の衝撃といって過言ではない。2016年8月4日付のリリースで、同社はアパレルとフットウエアビジネスに集中し、クラブ、ボール及びバッグを含むゴルフ用品ビジネスから撤退することを表明した。その中で社長のトレバー・エドワーズ氏は「タイガー、ローリー、ミッシェル・ウィーらアスリートたちはゴルフに大きな活力をもたらしています。私たちがゴルフアパレルとフットウエアにおける確固としたリーダーの地位を築くため、彼らをはじめとする偉大なアスリートたちがビジネスにもたらしてくれる勢いをさらに加速させていく予定です。アスリートたちへの絶え間ないフォーカスがイノベーションを進め、世界中の熱心な消費者に刺激を与えていきます」と述べている。要は本業のフットウエア、アパレルに集中すると言っている。



ナイキとタイガーがボールの歴史を動かした

ナイキのゴルフ事業参入については、タイガーの存在なしに語れない。タイガーは1996年にスタンフォード大学を中退しプロ入り、その年10月のラスベガス・インビテーショナルでプロ初優勝を飾った。タイガーが着用したキャップの正面にはNIKE「スワッシュ」のロゴが光っていた。ゴルフ界のニュースターがナイキと契約したことは大きなニュースとなったが、その時点で、同社はゴルフボール、クラブを持っていなかった。ナイキが最初にゴルフ用品に参入したのはボールからである。1998年にナイキブランドのボールが発売された。その時点ではタイガーはまだ他社の糸巻きボール(ボールのセンターがゴム糸で巻かれたもの)を使っていた。タイガーが試合でナイキのボールを使い始めたのは、2000年5月のドイツバンクオープンから。そのナイキの新しいボールは、糸巻き構造とは違い、ボールのセンターに合成ゴムを使ったソリッドボールと呼ばれるものだった。タイガーがこの新構造のボールを使い始めて驚異的に飛距離が伸び、ほかのプレーヤーを圧倒する結果となった。この年の全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権、翌2001年のマスターズを制して、年をまたいでメジャー連続優勝というグランドスラム、いわゆるタイガースラムを達成した。これ以降、プロが使用するボールはソリッドボールに変わった。糸巻きボールの時代に終わりを告げたのである。ナイキがタイガーと組むことによって、ボールの歴史を動かした瞬間である。クラブも2002年から発売されて、名実ともにゴルフメーカーとなった。タイガーが登場する以前も、ナイキはさまざまなスポーツ選手と契約していた。ブランドの核となっていたのは、プロバスケットのマイケル・ジョーダンである。ジョーダンがブランドを牽引して、彼の名前を付けたシューズ「エアー・ジョーダン」は爆発的なヒットになり、日本でもこのシューズはブームとなった。ジョーダンの後、ナイキブランドのフラッグシップはタイガーに変わった。しかし、ゴルフ事業から事実上撤退することで、ゴルフ選手がブランドを引っ張ることはなくなるだろう。現在、タイガーのほかにも世界ランキング4位のローリー・マキロイ、女子ゴルフのミッシェル・ウィーなど、多くの有力選手と契約している。この発表以降、契約選手の間で動揺が広がっている。米国PGAツアーでは、選手をサポートするスタッフ、ギアを供給・調整するトーナメントカーについて本年度中はそのまま変わらないとの話だ。契約する多くの選手はこの撤退について事前に知らされていなかった模様で、今後、これらの選手がどこのギアを使い、契約するのか、早くも動向が注目されている。



ナイキの中でゴルフビジネスは2.5%

ナイキの2015年売上高は306億ドル(約3兆3660億円:1ドル110円で換算)で世界一のスポーツメーカーである。2020年500億ドルを目標に中期計画を立てている。2015年のゴルフビジネスの売上高は7.71億ドル(約848億円)で全体の2.5%。売上高全体では前年比10%増だが、ゴルフビジネスは同2%減であった。ボール、クラブのカテゴリー別の売上高は明かされていないが、現在のゴルフ用品の低迷をみるとその厳しい位置づけが推定できる。ブランドを引っ張ってきたタイガーは、2009年末以降、個人的なスキャンダルやケガで成績がふるわず、現在も試合に復帰していない。そのことも一つの要因であろうし、世界的にみたゴルフ市場の先行きを勘案して今回の決断に至ったものと推定できる。ボール、クラブの表舞台から去ることは、ゴルフ用品が世界的に厳しい局面にさらされている何よりの証拠である。ゴルフビジネスに参入した1998年から、タイガーという最強のスターを持ち、革新的なギアを投入してきたにもかかわらず、18年で撤退に追い込まれた。ナイキが抜けた穴をほかのメーカーが埋めることになる。私見だが、大量生産によるゴルフギア、特にクラブを作るビジネスモデルに限界が見えてきたような気がしてならない。スイングを計測して最適な製品を提案するフィッティングのように、それぞれのゴルファーに向き合うビジネスモデルが生き残るのではないか。とはいえ、業界が大きく動く今は、ゴルフ界に新しいビジネスモデルを作るチャンスでもある。残ったゴルフメーカー、新規参入勢の奮闘を期待したい。













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