スウィート

スウィート

















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The Sweet - Official Homepage





















































イギリスの産業ロック

80年代アメリカのロック・バンドが売れすぎて“産業ロック”だと皮肉られるずっと以前から、イギリスでは売れすぎて軽視されるバンドが多かった。中でもこのスイートやスージー・クアトロなどは、共に当時の人気コンポーザー・チーム、Nicky ChinnとMike Chapman共作によるヒット曲が多く、非常にポップでビジュアル的にもウケていたため、アイドル扱いされることが多かった。だが、彼らの真の実力は最大のヒットとなった「フォックス・オン・ザ・ラン」や「アクション」からも伺い知れる通り、作曲能力も高く(2曲とも自作)、歌も演奏も一流なのだ。ただ、音楽ビジネスに惑わされ、最後まで本領を発揮できないまま、リード・ヴォーカルのコノリー(当時はコネリーと紹介されていた)離脱によってバンド自体の勢いを失っていったように思えてならない。コノリー&ミックが、後にディープ・パープルのメンバーとなるイアン・ギラン&ロジャー・グローバーといっしょに結成したウェインライツ・ジェントルメンというバンドが前身となり、スイートの歴史は始まる。このバンドは68年にコノリー、ミック、スティーヴ、Frank Torpey(g)というメンバーになり、Sweetshopという名に変えていた。彼らは4枚のシングルをリリースしていたが、いずれもまったくヒットしないままフランクが抜け、70年にアンディ・スコットと交代するとともにRCAレーベルへ移籍した。RCAでの彼らは、Chinn & Chapmanから曲を貰い、ポップ・グループとして売り出されることになる。これが的中し、71年シングル「ファニー・ファニー」が全英13位のヒットを記録。その後も「Co-Co」「リトル・ウィリー」などが立て続けにヒットした。だが、時代はもっとハードな音のグラムロックが主流になりつつあり、プロモーター達はそれを敏感に察知して、彼らをグラム・ロッカーに仕立てようと画策するのだった。そしてこれがまた大成功。Chinn & Chapmanの作曲による、「ブロック・バスター」は初の全英No.1に、つづく「ヘル・レイザー」「ロックンロールに恋狂い」「ティーン・エイジ狂騒曲」も大ヒットを記録した。74年、彼らはセカンド・アルバムをリリースするが、ここではChinn & Chapmanが多忙によりあまり関われなかったため、自らの手でほとんどの曲を作り上げていた。このアルバムは、それまでの彼らの知名度から27位まで上昇するが、シングル・ヒットも出ず、内容も決して素晴らしいとは言い難いものだった。だが、このアルバムでみせた彼ら独特のハーモニー(クイーンの“天使のハーモニー”に対して“悪魔のハーモニー”と言われた)やエッジの効いたハードなギターなどは、その後の彼らのサウンド方向を決定づけるもので、自力でそういった個性をつかみ取ることに成功した成果は大きい。そして75年、ついに彼らの魅力が爆発。自ら作曲した「フォックス・オン・ザ・ラン」が今まで以上の大ヒットを記録し、全英2位、アメリカでも5位の大ヒットとなった。日本でもこの曲はかなりヒットし、ちょうどその頃出された「ライヴ&ベスト」は国内でかなり売れたものだ。この成功により自信をつけた彼らは、Chinn & Chapmanとの決別を決意。76年初めてのオール自作曲アルバム「甘い誘惑」をリリースすると、これがまた爆発的なヒットを記録する。中でも大ヒット・シングルとなった「アクション」は、スピード感と例のハーモニー、スリリングな曲展開、効果音の使い方など文句の付けようがないくらい素晴らしい。後にデフ・レパードがカヴァーするなど、後世まで伝えられる名曲だ。来日したのもこの頃で、当時日本ではなんとクイーンのライバルとして騒がれていた。彼らはその後も「愛の炎」「愛が命」などヒットを生み出すが、しだいにまたポップ色が強まりロック・ファンからの支持は弱まっていった。そして79年ヴォーカルのコノリー脱退が決定打となってパッタリ人気は衰えた。その後残った3人だけで、キーボードを多用したAOR風サウンドのアルバムを3枚リリースするが、いずれもパッとせず、82年ついに解散に追い込まれる。それから数年が経ち、85年になるとイギリスで突然「It's the Sweet Mix」というスイートのヒット曲をメドレーにしたダンスチューンがヒット。これに気をよくしたのか、85年コノリーが単独でスイートを再編成。NEWスイートとして活動を始めた。すると86年、アンディもミックを誘い、別のスイートを一時的に再結成しツアーを行った。こちらの音源は89年に「Live at the Marquee」としてリリースされている。コノリーの新生スイートは87年まで活動したが、成功を収めぬまま解体した。そして91年、アンディ・スコットが新しいメンバーで本格的に新生スイートを始動、翌92年にはアルバム「A」も発表し話題なった。このAndy'sスイート、95年にもオリジナル・アルバムを出している他、往年のスイートの曲をカヴァーしたりして現在も活動中らしい。それに対しコノリーもまた95年Connolly's スイートを結成し、一時は2つのスイートが誕生するという異常事態となったが、本人達は共演したり、かなり友好的だったらしい。この後、もしかしたらオリジナル・メンバーでの再結成が見られるのではと密かに期待したが、97年コノリーが他界し僅かな期待も夢と消えた。



スイート、現存の音源事情

残念なことに、彼らはプロモーター達にさんざん利用されたため、単発のシングル曲が多かった。そのため初期のアルバムではChinn & Chapmanのポップな曲と彼ら本来のサウンド(ハードロック)が混在し、どれもまとまりがない。また、ヒット曲がいろんなアルバムでダブっていたり、アルバムに収められていない曲があったりと、アルバム購入にあたってはかなり迷うところだ。お薦めはやはり、「フォックス・オン・ザ・ラン」「アクション」「恋はだましあい」が入っている日本盤の「甘い誘惑」だが、他にもたくさんの名曲があり、シングル・ヒットをすべて押さえるにはベスト盤しかない。だが、これもいっぱい出ているわりに重要曲が抜けていたり、なかなか選定に苦しむ。イチオシは「The Best of Sweet」と「Electric Landlady」の組み合わせがダブリが少なく比較的どこでも手に入る。いずれにしろUS盤とUK盤、日本盤で内容が違うものが多いので、曲目をよく確認した方がいいだろう。もう1つ付け加えておくと、90年代にアンディを中心とした新生スイートやコノリーの新生スイートが、往年の曲をカヴァーしたアルバムなどを何枚か出している。安価だと思って見たこともないアルバムに手を出すと、コレの可能性があるので、コアなファン以外は注意が必要だ。



We Want Sweet!

グラムロックブームの一員を担ったアーティストとして有名。後のHR/HMバンドなどに多大な影響を与え、カバーされた曲の数は数え切れず。個人的にめちゃくちゃ思い入れのある人たちだ。すでにHINE氏も紹介しているし、他に詳しいホームページはいくらでもあるので、ここで紹介するのは気が引けてしまっていたが、 やはり彼らについて一筆振るわずにはいられない。というわけで、ここでは他のHPのアーティスト紹介とはまた一味違う視点で、彼らのことをご紹介していこうと思う。



Sweetサウンド

冒頭でも述べたように、彼らはグラムロックの範疇に括られる事が多い。動画を見ても分かるとおりこのギンギラギンのファッションはまさにグラムロックの特徴なのだが、T-REX、デヴィット・ボウイ、Sladeなどなど、「グラムロック」として括られたアーティストに音楽的相似点はほとんど無いと言っても過言ではないだろう。T-REXはブギー、ボウイは宇宙人、Sladeは単純明快ロックンロール…さてSweetはというと、Deep Purpleから影響を受けたであろう攻撃的なHRと、ティーンの心を掴んで離さないポップセンスを見事に融合させた、良い意味で洋楽初心者向けの、分かりやすい良質なロックサウンドを演っている。年代別に追っていくと、デビューの71年から74年の2ndリリ-ス直前までの所謂初期、この時期は外部コンポーザーの曲提供により、ポップで親しみやすい楽曲を多数英シングルチャートに送り込んでいた時期である。代表曲: "Funny Funny" "Co-Co" "Wig-Wam Bam" "Litlle Willy" "Blockbuster" "Ballroom Blitz"このうち、"Funny Funny" "Co-Co" 以外は全てアルバムには収められていないシングルヒットの曲であるが、ベスト盤ではまず間違いなく収録されている有名曲なので是非押さえておきたい。次は、2nd「Sweet Fanny Adams」から5th「Off The Record」リリースまでの中期。この頃から彼ら自ら曲を書き始め、持ち味であるポップでハイテンションなHRが展開されていく。代表曲: "Hell Raiser" "Set Me Free" "Fox on the Run" "Teenage Rampage" "Action" "Fever Of Love"(Hell Raiserは彼らオリジナルでなく時期的にも少し前の作品だが、曲調が明らかにHRなのでここに入れておいた)一般にとても人気の高い時期であり、代表曲を見ても多くのHR/HMアーティストにカバーされる名曲ばかりである。「Level Headed」から解散までが後期だが、この時期になると完全にグラムロックからは卒業し、AORなどから影響を受けた大人のロックアルバムを発表することになる。また名ボーカリスト ブライアン・コノリーの脱退もあり、一般にこの時期で終わったとされるが、個人的にはとても大好きな時期である。特に「Level Headed」なんか最高傑作だと思うんだけどなぁ。代表曲: "Love Is Like Oxygen" "Fountain" "Call Me" "Mother Earth" "Sixties Man" "Identity Crisis"なおラストアルバムの「Identity Crisis」は、今までの路線が嘘のように彼ららしいHRに仕上がっているので、せめてファンの方なら是非聴いて貰いたい。Voは勿論アンディ・スコットですが。なお彼らはその後二つに分裂し、BC.SweetとAS.Sweetとして活動していたことはファンには有名な話であるが、このうちAS.Sweetの残したライブアルバム「Live at the Marquee」が中々良い。全盛期Sweetのライブ音源はどれもイマイチなものが多いが、この作品はまずまずの音質でカッコいい演奏を聞かせてくれる。そして最後に4曲、当時新曲として発表されたものが入っているが、またこれも良い出来で、このまま彼らが正当に評価され活動を続けていたら…と思わずにはいられない。僕はどの時期も甲乙付けがたいほど好きなのだが、やはりSweetを初めて聴く方なら中期から入門するのがよいと思う。どのアルバムを買っても損をさせない!と言いたいところだが、やはり一般に名盤と言われる「Give us a Wink」がお勧め。また彼らについてはベストアルバムも山のように発売されているが、個人的お勧めは92年発表「The Best of Sweet」、2005年1月発売の「Very Best Of Sweet」あたりが選曲も良くお勧めである。(名前が紛らわしい…)The Best of~は各時代から満遍なく、Very Best of~は中期を重点的にセレクトしてあるので、このあたりは好みに合わせて選んでいただきたい。そして気に入ったら是非オリジナルアルバムにも…



Sweetの与えた影響

彼らの与えた影響を語る際には、やはりHR/HMアーティストは外せないだろう。カバーバージョンだけでアルバム一枚出来るほど(是非発売してもらいたい)多くのアーティストにSweetの楽曲はカバーされている。まず名曲"Action"、この曲はDef Lepperdのカバーが一番有名であるが、その他にもScorpionsがLIVE限定で演奏していたり(彼らの1stに収録されている"Action"という曲とはまた別である。これはSweetの曲でない。)、現KISSのトミー・セイヤーが在籍していたことで有名なBlack'N Blueが1984のデビュー作でカバー、"UKの暴れん坊"Ravenは、デビューアルバムで "Hell Raiser"から繋がるメドレー形式にて演奏。美形金髪双子デュオのNelsonは96年発表の「Imaginaitor」で、ビリー・アイドルのギタリスト、スティーヴ・スティーヴンスもソロ1stでこの"Action"を披露している。また、NWOBHMの重鎮Saxonや、Motley Crueのフロントマン ヴィンス・ニール、80年代アングラシーンを代表するスラッシュメタルバンドHeathenが"Set Me Free"を、ガールズメタルバンドの元祖Girlschoolが"Fox on the Run"をカバーしていることも有名である。軽快なロックンロール"Ballroom Blitz"は彼らの曲の中でもっとも多くカバーされた曲であり、またそのアーティストも一味変わった面白いバンドばかりである。HR/HMバンドとしてはこの曲をカバーしているものは少なく、スイスを代表するバンドKrokusが「The Blitz」というまんまなアルバムの中で披露しているのと、UKのインダストリアル・メタルバンドTestifyが01年のEP「Ballroom Killer: Blitzkrieg Mixes」でカバーしていることくらいであると思われる。どうやらベイエリアスラッシュメタルバンドExodusも演っているらしいが、情報が少なく確認できていない。実は意外にもパンクバンドによるカバーが多く、70年代パンクブームを担った大御所 The DamnedはLIVEでこの曲を披露。何とあの Moterheadのレミー・キルミスターとの競演であり、この音源を収録した「Ballroom Blitz」というライブ盤も発表している。また、近年のメロコアシーンに多大な影響を与えたBuzzcocksもカバー。そのメロコアシーンを代表するアメリカの有名バンドOffspringも、先輩に続けとばかりに同じくライブで披露している。一風変わったところでは、オランダネオロカビリー界の重鎮 Batmobileのカバーも面白い。他にも色々とあるのだが、あまりマイナーどころに触れていてはキリがないのでこのあたりにしておこうと思う。他にもトリビュートアルバムの類として、99年に「Greatest Hits Remixed」という、ゴシック・インダストリアル系アーティストによるリミックス集が、04年にはスウェーデンのHR/HMバンドによるトリビュート「The Sweet According to Sweden」も発表されている。また、直接カバーをしていなくても、フェイバリットにSweetを挙げているアーティストは多い。オジー・オズボーンやHelloween、日本のすかんち(というかローリー寺西)などがそうだ。また、Motley Crueのドラマー、トミー・リーは、明らかにミック・タッカーのフォロワーである。トミーとミックの映像を見比べてみると非常に面白い。さて上記のようにSweetをカバーしているアーティストは数多くあるのだが、では逆にSweetがカバーした楽曲はどうだろう?有名どころでは「Desolation Boulevard」収録の"My Generation"。説明不要The Whoの名曲である。ピート・タウンゼントが絶賛したと言うが、それも素直にうなづける名カバーだ。また、BBCのスタジオライブではThe Beatlesの"Paperback Writer"も披露している。この音源は98年発売の2枚組ベスト「Sweet Originals」に収録されているので是非一聴していただきたい。他にはJoey Deeの"Peppermint Twist"やSupremesの"Reflections"などがあるくらいで、Sweetによる他アーティストのカバーはとても少ないと言えるだろう。(ただ、パクリはちらほら散見される。例えば"Windy City"のリフは、Deep Purple "Woman From Tokyo"にそっくり。)



Sweetと他ミュージシャンの関係

まずDeep Purpleファミリーとの関係は切っても切れないものであろう。ブライアン・コノリーとミック・タッカーがSweet結成以前、Wainwright's Gentlemenというグループでイアン・ギラン&ロジャー・グローヴァーの二人と活動していたことは有名な話。またSweetはリッチー・ブラックモアとも仲が良く、76年Sweetのライブにリッチーが飛び入り参加して"All Right Now"を演奏した音源が残っている。(右、リッチーとアンディ・スコット?画質悪くて申し訳ない。)そして79年にコノリーが抜けた際、後任に何とロニー・ジェイムス・ディオが加入するという話があったそうだ。Rainbowを脱退したロニー側からオファーがあったが、Sweetは「有名すぎるから」という理由で迷った挙句断念。 その後ロニーはBlack Sabbathに加入して名盤「Heaven and Hell」を発表するのは皆さんご存知の通り。 「もし」を語り始めたらキリがないが、彼がSweetに加入していたら今のHR/HM事情はかなり違った方向に進んでいただろう。他には、「天使のコーラスvs悪魔のコーラス」とライバルのように騒がれたQueenも忘れてはいけない。"Fox on the Run"などで大胆にシンセをフューチャーしたSweetに対して、「No Synthesizer」のクレジットでシンセ導入を頑なに拒んだQueenは、当時かなり仲が悪かったらしい。しかし、ロンドンのパブで偶然居合わせた際に意気投合。お互いの持ち歌を大声で歌いながら朝まで飲み明かしたとか…もし聴けるものなら是非聴いてみたいものである。ブライアン・コノリー、ミック・タッカーの逝去によりもう二度とSweetの面々が拝めないのは非常に残念なことだが、2005年5月には「Off the Record」までのスタジオアルバムがリマスター&ボーナストラック&紙ジャケで再発されることが決定。DVDもいくつかリリースされており、このまま過去のバンドとして埋もれさせておくには惜しいこのSweetを、一人でも聴き続けてくれる人が増えれば本望である。














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