永遠の夢に向かってジェットボーイ・ジェットガール

 

ジェットボーイ・ジェットガール

ジェットボーイ・ジェットガール

















ebc7fa1df266c989f5707949ba57c59d.jpg


















Jet Boy Jet Girl - The Damned








































ダムドは1976年、デイヴ・ヴァニアン(ボーカル)、ブライアン・ジェイムス(ギター)、キャプテン・センシブル(ベース)、ラット・スキャビーズ(ドラムス)によりロンドンにて結成。セックス・ピストルズ、ザ・クラッシュとともにロンドン三大パンクバンドのひとつに数えられる。1976年10月22日に発売された1stシングル「New Rose」、そして1977年2月18日発売の1stアルバム「Damned Damned Damned」はともにロンドンパンク史上初のシングル、アルバムとなった。77年春にロンドンパンクバンドとして初めて大西洋を渡りアメリカツアーを敢行、このツアーをきっかけとしてアメリカ西海岸にてアメリカンパンク、そしてのちのアメリカン・ハードコアの嵐が吹き荒れた。ピンク・フロイドのニック・メイスンプロデュースによる77年11月発表の2ndアルバム「Music for Pleasure」発売直後にラットとブライアンが続けて離脱、78年4月にロンドンパンク史上初の解散となる。しかしキャプテンがギターにチェンジ、ベースにオーストラリアのバンド、セインツのメンバーだったアルジー・ワードを迎えてロンドンパンク史上初の再結成を果たし、79年に歴史的傑作の3rdアルバム「Machine Gun Etiquette」を発表した。ちなみにアルジー・ワードはダムドの後、モーターヘッドの弟分的な存在であったタンクを結成している。以後は複雑なメンバーチェンジを繰り返し、メンバー構成は今までで8つものパターンを数えながらも、パンクロックという枠に留まらない多様な音楽性を発揮し多くの傑作アルバムを残している。2016年、結成から40年を経た今もバリバリの現役バンドとして精力的に活動している。モーターヘッドのレミーが正真正銘のパンクバンドとして認めていた唯一のバンド。

1970年代にニューヨークで始まったパンク・ムーヴメントは、まもなくイギリスでも吹き荒れた。その中核を担っていたのは、セックス・ピストルズ、クラッシュ、そしてダムドだった。しかもダムドは1976年の結成以来、無数の活動停止とメンバーチェンジを繰り返しながらも、あらゆる意味でいまだ健在。2001年には『Grave Disorder』を、2008年には『So, Who's Paranoid?』をリリースしている。ロンドン・パンクの中で初めてシングルを出したバンドは、実のところダムドだった。ロンドン・パンクで初めてアルバムを出したのも、ダムドだった。それがこの『地獄に堕ちた野郎ども』なのだ。セックス・ピストルズ、クラッシュ、ダムドがロンドン・パンクの3大バンドとされるが、ある意味ダムドは音楽以外でセンセーショナルなことはあまりしなかった。「アナーキー!」だとか「暴動を起こせ!」だとか歌わなかった。てめぇら自身がパンクなんだから、ダムドにはパンクであるための大義名分とか言い訳なんてものはいらなかったのだ。音だけでもうパンクだった。たとえばファースト・アルバムを比べると、セックス・ピストルズみたいに分厚く塗り固められた音ではなく、かといってクラッシュみたいなガレージ・サウンドでもなかった。一番ぶっこわれているチンピラ・サウンドがダムドだった。『地獄に堕ちた野郎ども』が歴史的な傑作に仕上がったのは、プロデューサー、ニック・ロウの手腕によるところも大きいだろう。パンク・ムーヴメントの下地になったパブ・ロック界隈の大物であるニックが手掛けたことは、当時のイギリスのシーンの流れを感じさせる。だがニックがプロデュースすることになったのは、当時ダムドが所属していたスティッフ・レコード専属プロデューサーだったからだ。つまり、偶然そこにニックがいただけの話なのだが、必然的な結びつきとしかいいようがない。ニックはダムドの〈やんちゃなエナジー〉を生のまんま真空パックしたのだ。裏ジャケットの端っこには、さりげなく「低いヴォリュームで聴いてもデカイ音で再生されるようになっている(Made to be played loud at low volume.)」という但し書きがある。これ、ハッタリでも何でもなく、事実なのだ。この音、何の遠慮もしていない。深夜にこのアルバムをスピーカーから聴こうとする時は注意が必要なのだ。この異様な音作り、ほとんど奇跡だし、この世のものとは思えぬ宇宙的空間に突入したかと錯覚させる凄まじさだ。けど、むろん、ダムド自身のブッ飛んだ天才的センスがあってこそ、このパンクのマスターピースが出来上がったのだ。いい加減に見えて、その逆。テクニックがないというのともちょっと違う。要は、楽譜をなぞるみたいなプレイなんかしちゃいないのだ。『地獄に堕ちた野郎ども』の曲をこの通りにコピーすることは誰にも出来ない。天然に勝るものは無しってこと。音そのものが素行不良。音がどこへ飛んでいくわかんないスリル、それこそがパンクってもんだろーが。パンク・ロック史上に残る名イントロと言い切れる1曲目の「ニート・ニート・ニート」は、日本で最初に発売された時には「嵐のロックンロール」って邦題がついていた。原題とは違うんだが、音がまさにそのまんま。ほかの曲だってまさに嵐のロックンロールだ。とにかく音の竜巻がフル回転なんである。ビリビリ全身しびれさせる感電ギター。ブンブンうなりまくるベース。スティックの破片とシンバルが飛んできそうな勢いのコマネズミみたいなドラム。それでいて、ヴォーカルを筆頭にクールな感性で貫かれているのが恐ろしい。人によっては、「パンクって何?」ってきくと「反逆」という言葉が返ってくるもんだ。それはあながち間違っていないが、パンクってのはそれだけじゃないのだ。もともと「パンク」とは「くだらないもの、たわごと、青二才、若僧、チンピラ、腰抜け」って意味である。それって『地獄に堕ちた野郎ども』のダムドのサウンドのことじゃないか。ダムドは怒っているわけではない。ケタケタゲラゲラ笑っているのだ。世の中のくだらねーもんを嘲り笑っているみたいな音でもあるし、自分らを笑い飛ばしているような音でもある。やってらんねーよっていうワケわかんない感覚を、ダムドは音でやっちまった。あまりにメチャクチャすぎて聴いてる方だって笑っちゃうほどなのだ。けど、ダムドは乱痴気騒ぎをやっているだけじゃない。シャープにキメるところはビシッとキメるし、ブッ飛ばした後は思いっきり切なかったりもするし、しっとり艶っぽく迫ったりもするのだ。歌詞も、スリリングでカッコいい映画のシーンみたいなものばかり並んでいるし、女の子だってガンガン登場してくる。妙にポーズをつけて悪ぶったりはしないわけ。ジャケットを見ても、ダムドのハチャメチャなアティテュードがわかろうってもんだ。表ジャケットの愛すべき大バカぶりは、ダムドの肝である。キャプテン・センシブルのこの色縁サングラスは、パンク・ファッションの定番にもなった。裏ジャケットを見ると、メンバーみんな格好がバラバラ。スタイルなんかクソ食らえ。ドラムのラット・スキャビーズはよくわからないが、ヴォーカルのデイヴ・ヴァニアンはブラック・スーツを着込んだドラキュラだし、ギターのブライアン・ジェイムスは胸のはだけたロッカーだし、ベースのキャプテン・センシブルに至ってはもうコスプレの先駆者だ。アルバムは、パンクのゴッドファーザー、イギー・ポップがやっていたバンド、ザ・ストゥージズの「1970」のカヴァーにトドメを刺す。当時から目のつけどころが鋭かったわけで、しかも音の火花飛び散るヴァージョンでやってのけた。おまけに「アイ・フィール・オールライト」っていう風にタイトルを変えちまった傍若無人ぶり。全てをデストロイする自爆フィナーレ。まさに気分サイコーだ。

















61EbRey8JdL.jpg


















STAR




Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  • nbsp;…この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif