FC2ブログ

永遠の夢に向かって女子アナ内定取り消し裁判

 

女子アナ内定取り消し裁判

女子アナ内定取り消し裁判














清廉 せいれん

大辞林 第三版の解説
せいれん【清廉】

( 名 ・形動 ) [文] ナリ 
心が清らかで,私欲のない・こと(さま)。 「 -な人」 「 -の士」
[派生] -さ ( 名 )













shiodome16b.jpg
▲日テレタワー(港区東新橋)













日本テレビ放送網








































【小島慶子寄稿】女子アナ内定取り消し裁判に「そろそろ本当のことを言おうよ」

「いい子であれ」という抑圧の象徴が「女子アナ」という記号である




テレビ局が女子アナに求める「清廉性」の正体は 内定取り消し騒動を小島慶子が切る

日本テレビの女子アナ内定取り消し裁判をめぐり、元TBSアナウサーの小島慶子さん(42歳)が2014年11月27日、日経ウーマンオンラインに3000字に及ぶ文章を寄せた。日テレの求める「清廉性」と女子アナの関係についてOGならではの視点で綴り、反響を呼んでいる。





11210598ahnqxhhz55znn8.jpg
▲2011年ミス東洋英和の笹崎里菜(22歳)





女子アナに必要なのは「私は無欲」と言い張る演技力

裁判を起こした2011年ミス東洋英和の笹崎里菜さん(22歳)は、内定後の研修中に銀座のクラブでホステスのアルバイトをしていたことを人事担当者に明かしたことがきっかけとなり、内定を取り消された。ここで日テレ側は「ホステスの経歴はアナウンサーに求められる清廉性にふさわしくない」と説明したという。清廉とは「心が清らかで私欲がないこと」を意味する言葉だ。

これに小島さんは「一体、清廉性ってなんでしょう?」と疑問を投げかける。ホステスを「男性の劣情を利用して金儲けするような女」として卑しむなら、「テレビ画面の中の人物を隅々まで鑑賞して好き勝手なことを言う人びとの視線」も「酒場で酌婦のスカートの奥を想像する男」と同じように浅ましいとし、同時に、視線に気づきながら無欲で清廉な人物を演じることも「あざとい欲望のやりとり」ではないかと指摘。女子アナと視聴者、ホステスと客の関係は同じ構図だということを示した。

小島さんによれば、そもそも「出たがり屋」である女子アナが無欲なわけがなく、求められるのは「私は無欲です」と言い張れる演技力だという。

そうした「お芝居」する彼女たちの中から誰を人気者にするかは起用するテレビ局社員の判断次第だとして、小島さんは「『有名になりたい』という欲望を満たしてやるから、空気を読んで言う通りにしろよ。これは光を浴びる人間と、光を当てる人間との権力闘争です」とその関係を解説。そこには抑えがたい支配欲が存在すると説明した。


「アナウンサーに必要な清廉性」という言葉の謎

一体、清廉性ってなんでしょう?学生の内定取り消しの理由として「ホステスのアルバイトをしていたから」と言った放送局を批判して、「玉の輿狙いの女子アナのどこが清廉なんだ!」と書いている雑誌もあったけれど、より条件のいい男性を求めて計画的に行動することを清廉ではないというのも、女は無垢で無欲であって欲しいという男の勝手な言い分です。

どうやらホステスが問題らしいですね。男に侍(はべ)って酒をつぎ、飲ませて儲けるのがいけない。欲望をやりとりするのは汚らわしい、有名企業の看板娘にはふさわしくないと。

じゃあ、ええと、看板娘はいいんでしょうか?若さと美しさでお客さんを呼び込むことは同じですが?男性の劣情を利用して金儲けするような女は卑しいと言うなら、テレビ画面の中の人物を隅々まで鑑賞して好き勝手なことを言う人びとの視線も、酒場で酌婦のスカートの奥を想像する男と同じように浅ましいとは思いませんか?そんな野次馬の視線を知りながら、無欲で清廉な人物を演じることもまた、あざとい欲望のやりとりだと思うのですが。

それとも処女性?まだどこの男にも侍っていない女を侍らせたいという、生娘願望でしょうか。店で客に酒を注いじゃったら、もう俺(放送局)が最初の客じゃないじゃないか、と。いや侍らせたいなんて思っていない、と彼らは言うでしょう。

でも、女子アナは、タダで使えるみんなの女です。私が会社を辞めるときにある役員にはっきり言われました。「小島にギャラは払えない、女性に値段は付けられない」って。そう、技術ではなく、性別にお金を支払う感覚なんですね。

女優になるほど美人ではないけど目を引く器用な女子大生を、全国ネットの番組に出してアイドルにしたり、ニュースを読ませてキャスターに仕立て上げたりするのは、テレビ局社員の権限。社員アナは、会社が給料を払っているので番組予算から出演料を出さなくてもいい。芸能事務所とのしがらみもない。どの子を人気者にするかは、起用する側の思惑次第です。「有名になりたい」という欲望を満たしてやるから、空気を読んで言う通りにしろよ。これは光を浴びる人間と、光を当てる人間との権力闘争です。起用する側の人間がどんなに公平であろうとしても、その支配欲は抑えがたいものです。


求められるのは「私は無欲です」と言い張れる演技力

しかしテレビに出るのに自分の欲望を晒さずにすむのはアナウンサーにとっても都合のいい話です。「人気者になりたい」「頭がいいと思われたい」というダサい本音をお堅い肩書きで覆い隠し、「別に目立ちたいわけではありません。あくまでも会社員として職務を果たしているだけです」という体で、全国ネットの番組に大学を出てすぐに出演できるのです。なんの実績も技術もなく、ただ有名企業の新入社員だというだけで。

もしも本当に出演することに興味がないのなら、1000倍もの競争率を勝ち抜いて内定を勝ち取ることはできません。むしろ、出たがり屋であることは採用する側もされる側も百も承知の上で、無垢を装い通すことができる能力をはかられているのです。どんなに見え透いた嘘でも「いいえ私は無欲です」と言い張れる演技力こそが、「高度の清廉性を求められる出演者」には必要なのですから。それが女性でも、男性でも。

そう、ホステスはそのお芝居を売り物にしているからいけないのです。おいおい、無垢を装って金儲けしちゃいけないよ。無欲なふりのお芝居は、ただ雇い主の歓心をかうためだけにするものだ。せっかく、ご褒美に光の当たる場所を用意しているのだから。ってね。

女子アナという商品は、企業の内輪で消費される若い人たちの象徴です。どれどれ今年の新人は?と品定めして、あの子がいいこの子がいいと論評し、お気に入りには目をかける。懐いたら引き立ててやるから、その恩義を忘れるなよ。毎年毎年、そうやって新入りを値踏みしては、手なずける。ちょっとでも手を離れそうになると、生意気だとか勘違いしているだとか言ってこきおろす。ね?どこの職場にもあるでしょう。みんなが大好きな、若い子いじり。

ある時、放送局は気がつきました。その内輪の品評会を公開すれば商品になる。若い女と人事という、男が大好きな話題を兼ね備えたアイテムが手元にあるぞ。しかも、使い放題じゃないか!と。それが女子アナブームです。気取ったお嬢ちゃんが実は“おばかさん”なのをからかって、社内の人気者に仕立て上げる。社外から見たら高嶺の花の女の子を、自分たち内輪の人間はいくらでもこきおろすことが出来るんだぜ、という優越感の表れでもあります。

でもそれは、女性アナウンサーがエリートだと見なされているからこそ成立する見せ物。そう、女子アナに「いかにも高度の清廉性」がないと、内輪ネタの面白みがなくなってしまうのです。元ホステスのアナウンサーではダメなのです。すでに商品化されているものを内輪の理屈で商品化しても、白々しいだけですから。

このプレイをより見応えのあるものにするためには、女の子がより選ばれた人物である印象を与えることが大事です。視聴者は、自分の職場の新人よりも100倍可愛いOLが、会社員という役割から逸脱しそうになるのを必死にこらえているうちに思わずぼろが出てしまう、というプレイをぞくぞくしながら見ているわけですから。

名門校出身で、美人で、人当たりが良くて、慎ましくて、お上品な見た目の女の子が、実はもの知らずで無防備で、淫らで強欲なのを露呈してしまうなんて、最高の見せ物だよね!とは誰も言わないけれど、出る人も見る人も起用する人も、みんなわかっているのです。


無垢で無欲な振りをするほど、欲望は暴力的になる

仕事に不可欠な読みの技術は、プレイの質を高める上でも役立ちます。共演者に頭をはたかれ、視聴者の失笑を買い、調子に乗っているチャラい女「のように見えて、実はプロの読み手」であるというギャップは劣情を掻き立てます。いくらお叱りを受けても「でも読みのプロです」と言えば、なんだか一目置かれてしまう。

有名企業のお抱え技術者、しかも社を代表したアナウンス(発表)を行う優等生であるという特権は、保険にもなります。内輪ネタを晒して巷の注目を集めておきながら、いざとなったら「いえ、あれは余興で、本業はこちらです」と、高度の清廉性を誇示するためのツールが、アナウンス技術です。アイドル女子アナが中年期を迎えてニュースキャスターに鞍替えするのもこの論法。いえいえ、私もともと知性派だし。あれは若い頃、会社に言われてやってたことですから、って真面目な顔で、渡された原稿を読む。まるで10年前から報道の現場にいるみたいな顔をして。第二幕の始まり始まりです。

かつてハーフのアナウンサーはいなかった。学生時代にタレントをしていた子も敬遠された。ミスコン女王の経歴は必死で隠した。でも今はこれ、ぜーんぶアナウンサーへの近道です。解禁につぐ解禁。これを機会に、ホントのことを言えばいい。はい、これはぶっちゃけ、欲望のやりとりです。だからこそ「高度の清廉性」を求められるお仕事なのです。それを演じきる技術さえあれば、どれほど出たがりで世ずれていようとも構わない、って。その方がフェアだ。

満員電車に詰め込まれたサラリーマンも学生も、主婦も子どもも「いい子であれ」って言われて息苦しい思いをしている。その抑圧の象徴が「女子アナ」という記号なんじゃないかと思うのです。もうやめようよ。無垢で無欲な振りをするほど、欲望は暴力的になるものだから。


小島慶子(42歳)

タレント/エッセイスト/ラジオパーソナリティ

オーストラリアパース在住。2児あり。趣味は着物、乗馬、ピラティス。TBS放送局アナウンサーとして15年間勤務の後、現在はタレント、エッセイストとして活動中。小学生の息子が二人。著書に 『解縛(げばく) ~しんどい親から自由になる』(新潮社)、 『女たちの武装解除』(光文社)、 『失敗礼賛~不安と生きるコミュニケーション術』(KKベストセラーズ) など。 新刊『大黒柱マザー』(双葉社)が12月9日に発売予定。 現在は家族の拠点をオーストラリアに移し、自身は仕事で日豪往復の日々。共働き向けのサイト日経DUALで『小島慶子のDUALな本音』を好評連載中。オスカープロモーション。











2013y10m17d012528374.jpg
▲小島慶子















Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  • nbsp;…この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif